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NO.446
平成20年6月29日
June 29,2008

● 清水英雄先生のメッセージ


そつ啄(そつたく)同時


そつ啄同時
「そつ」とは雛が卵の殻を
内側からつつくこと

「啄(たく)」とは母鶏が殻を
外側からつつくこと

親鶏と雛が同時に
殻をつついて
生命が誕生

この意気で
親と子が
縁を結んだら

その縁は
広大無辺に
ひろがってゆく
愛と ともに



そつ啄同時
  Sotsu and Taku at the Same Time


そつ啄同時
 Sotsu and Taku take place at the same time.
そつとは雛が卵の殻を
 Sotsu means pecking at an egg shell
内側からつつくこと
 from the inside by an unborn chick within it.

啄とは母鶏が殻を
  Taku means pecking at an egg shell
外側からつつくこと
 from the outside by a hen.

親鶏と雛が同時に
 Both mother hen and its young chick, at the same time,
殻をつついて
  peck the shell,
生命が誕生
  and the life comes to be born.

この意気で
  In this kind of coordination,
親と子が
 parents and their children
縁を結んだら
  are hopefully tied together,

その縁は
 and then, the bond
広大無辺に
 will surely be expanded into the heavens,
ひろがってゆく
 vast and boundless,
愛と ともに
 with a deep affection for each other.



  Sotsu and Taku at the Same Time


 Sotsu and Taku take place at the same time.
 Sotsu means pecking at an egg shell
 from the inside by an unborn chick within it.

  Taku means pecking at an egg shell
 from the outside by a hen.

 Both mother hen and its young chick, at the same time,
  peck the shell,
  and the life comes to be born.

  In this kind of coordination,
 parents and their children
  are hopefully tied together,
 and then, the bond
 will surely be expanded into the heavens,
 vast and boundless,
 with a deep affection for each other.

 (English translation: Takahiko Sakai)
  (English consultation: Frances Ford)


● 日本人の心の歌(その17)

・埴生の宿 (1889,  中等唱歌集)   My Humble Home
    (Words by Yoshi Satomi 里見 義、Music by Bishop)

/England: Home Sweet Home
(Words by John Howard Payne(1792-1852)米国生れの俳優・劇作家、
Music by henry Rowland Bishop(1786-1855)作曲家)
(1823.5.8初演)


1.埴生の宿も わが宿

  Though made of clay, oh, it’s my home I love,
      (中野一郎訳―上記の日本語から)

      /’Mid pleasures and palaces though we may roam,
             (原曲の英語歌詞)


玉の装(よそい) うらやまじ

  Though made of jewels, I’ll never envy them,

  /Be it ever so humble there’s no place like home;


長閑(のどか)なりや 春の空

  How graceful the spring days, soft breeze in the sky,

  /A charm from the skies seems to hallow us there,


花はあるじ 鳥は友

  Oh, flowers are the hosts there and birds the guests on high,

  /Which, seek thro’ the world, is ne’er met with elsewhere.


おゝ わが宿よ 

Home, home, sweet, sweet home,

  /Home! home! sweet, sweet home,


楽しとも たのもしや

  How blessed is my home, I’ll never, never roam.

      /There’s no place like home,
       There’s no place like home.


        (英訳:中川一郎 /原曲Home Sweet Homeの歌詞)


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2.書(ふみ)読む窓も わが窓
  瑠璃の床も うらやまじ
  清らかなりや 秋の夜半
  月はあるじ 虫は友
  おゝ わが窓よ 
  楽しとも たのもしや


● 歯は簡単に抜いてはならない:
      食生活の改善と歯磨き法
        (致知 2003-7. pp122-124.)


 食生活の改善で歯周病を治す
   ―自分の歯は一生の宝 
       簡単に抜いてはならない    
      丸橋 賢(丸橋歯科クリニック、高崎市)

・歯周病患者の食生活上の共通点:

  1.砂糖と脂肪の摂取量が過剰
  2.ビタミン、ミネラル、食物繊維が著しく不足
   → その結果
    1.顔色が悪い
    2.眼に輝きがない
    3.皮膚や爪の色につやがない
    4.倦怠感があり風邪をひきやすい
    5.胃腸が悪い
    6.肩こり、頭痛がする

・歯の治療によって
アトピー性皮膚炎や花粉症、水虫などが改善する患者も出てきた。

(治療法):
1.正しい食事指導
(生命力を高める基本中の基本が食事)
2.歯石除去
3.ぐらついた歯を歯茎が
固まるまでの間補強する連結冠をほどこす
4.ブラッシング指導
(これで間に合わないほど歯と歯茎の間のポケットが
深くなれば切開して中をきれいにする)

(食事に関してのポイント):
・砂糖、脂質を減らし、
高ミネラル、高ビタミン、高繊維の食生活を定着させる:
1.米や麦については
未精白のものが
ベスト―ビタミンB、食物繊維が豊富。
玄米、胚芽米、三分搗き(つき)、五分搗きなど。
パンは未精白粉天然酵母パン。
2.緑黄色野菜(ビタミン、ミネラル、食物繊維):
毎日食べること。
3.小魚、海藻類(カルシウム):
毎日食べること。
4. 大豆、大豆製品からもたんぱく質を。
5.インスタント食品などに含まれる化学薬品は
ビタミンA,C,Eを浪費する
→添加物のまじっていない食材やだしを
取り寄せるのが賢明。
ペットボトルや缶入りの
お茶、コーヒー、ジュース類は極力飲まない。
6.加工された軟らかい食品ではなく、
できるだけ自然に近い状態の食べ物を
よく噛んで食べることが肝要です。


(ブラッシングについてのポイント):
・歯磨き粉を使わない
(研磨剤が含まれているので
歯をさらに痛める可能性がある)

1.ローリング法:
ブラシを歯肉に押しつけ、
毛先を歯肉側から
歯の先端に向けて、
歯と歯の間を掃くように回転させる
(一部位で30回から50回)

2.バス法
(歯肉と歯の境目の歯周ポケット歯根をきれいにする):
ブラシの毛先を
歯と歯肉の間に
45度に当て、
弱い力で振動させる
(一部位で30回から40回)
横磨きにならないように。

3.コ−ム法
(歯周病で歯茎が下がった人のための磨き方―
歯肉と歯の境目の歯周ポケット歯根をきれいにする)
歯と歯との間に直角にブラシを突っ込み、
中をかき混ぜるようにする
(一部位で10回から20回)

・歯磨きの目安は3分前後。

  
自然のものを食べて
生活するモンゴルの遊牧民やマサイ族は
骨格も歯並びも視力も理想的。
人間は自然から離れて生活できない。
人間は自然の一部であり、
そうあってこそ生命力は全開できる。


● 涙を流す―
       「人生は楽し、そして哀し」
          (致知 2001-07. pp6-14.)


    対談:森繁久彌(88歳)
                  vs
                 磯部則男
                  (障害を乗り越え
                    いくつもの夢を実現した画家)

・涙があるから眼球は潤い、
ものを見ることができる。
人生もまた涙することで方向を見定める。
「常に悲感を懐きて
心ついに醒悟(せいご)す(釈迦の言葉)」
常に深い悲しみを胸の奥に秘め、
その悲しみを大切にして歩み続けるとき、
人はついに悟りの目覚める。
涙を流すことは人生を深める道でもある。

・フルートベングラー:
「君一人に感動があるのではない。
君と観客との間に感動が起こったんだ」

・大木敦夫の「戦友別盃の歌」、好きです(森繁):

言うなかれ、君よ、わかれを、
世の常を、また生き死にを、
海ばらのはるけき果てに
今や、はた何をか言わん、
熱き血を捧ぐる者の、
大いなる胸を叩けよ、
満月を盃(はい)にくだきて
暫し、ただ酔いて勢え(さおえ)よ、
わが征く(ゆく)はバタビアの街、
君はよくバンドンを突け、
この夕べ相離るとも、
かがやかし南十字を
いつの夜(よ)か、また共に見ん、
言うなかれ、君よ、わかれを、
見よ、空と水うつところ
黙々と雲は行き雲はゆけるを。

 世の常ですね、
  俺は女房がいるんだよ、とか、
  女房がちょっと体が悪くて、
  とかいろんなことがある。
  そういうことを言うな、と。
  いい詩ですね。
 みんないろいろありますからね。
  悲しくて悲しくてたまらんというときは、
  それから、嬉しくてしょうがないときも、
  詩を読んだらいい。

・人生というのは
戦いじゃないかね。
(同時に)
人生はお返しをしなければ失礼ですよ。
それは自分の力で返していかなきゃいけない。

・そうね、
与えるなんて言うと偉そうだけれど、
なんて言うかな、
自分のものは外で全部吐き出してね、
うちに持って帰るものじゃない、
そう思います。

・金は健康法と同じ。
私の健康法は、
食べたものや飲んだものを
体に溜めないということ。
溜めれば腐り、
生命が燃焼しませんからね。
金も一緒です。

・一人の人間が生きてゆくためには
何十万人の人間が動員されている。
それがわかったら、
それだけの人間に対して
一遍でも感謝したか。
何かお返ししたか。
どうだ、
おい。
気がつくように教えてあげる人がいないと。

・人は笑ってばかりで生きていくわけにはいかない。
また、泣いてばかりで生きていくこともできない
(ユダヤの格言)。

いかにもその通りでね。
たまには人知れず、
いや人の前でもいい、
万斛(ばんこく)の涙を流し、
声を上げて縷縷と(るると)泣いてみたいね。
心が洗われますよ。
人間は泣かずには生きていけないからね。


● 英作文の練習 

山村暮鳥  「聖三稜玻璃」より

風景
純銀もざいく

の場合:



いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
かすかなるむぎぶえ
いちめんのなのはな
  ―山村暮鳥 (1884-1924) 「聖三稜玻璃」より


(拙訳)
Landscape in Mosaic, Purely Silvered

What a vast field of golden blossoms, stretching far away into the distance;
What a vast field of golden blossoms, stretching far away into the distance;
What a vast field of golden blossoms, stretching far away into the distance;
What a vast field of golden blossoms, stretching far away into the distance;
What a vast field of golden blossoms, stretching far away into the distance;
What a vast field of golden blossoms, stretching far away into the distance;
What a vast field of golden blossoms, stretching far away into the distance;
A sound of an oaten pipe is to be faintly heard.
What a vast field of golden blossoms, stretching far away into the distance;
                    ―Yamamura, Bocho (1884-1924)


(参考図書)
文春ネスコ(編).『教科書でおぼえた名詩』. 文春ネスコ. 1997. p.237.
アーサー・ビナード.『日本の名詩、英語でおどる』. みすず書房. 2007. p.16.


(全文)
風景
純銀もざいく

いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
かすかなるむぎぶえ
いちめんのなのはな

いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
ひばりのおしゃべり
いちめんのなのはな

いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
やめるはひるのつき
いちめんのなのはな
  ―山村暮鳥 (1884-1924) 「聖三稜玻璃」より


● イギリス名詩選  平井正穂 編 (岩波書店) から

     The Tables Turned               
           William Wordsworth   

Up! Up! my friend, and quit your books;    
(作者の友人=読書好きな友人)
Or surely you'll grow double:        
(doubled: stooping forward.)
Up! Up! my friends, and clear your looks;
Why all this toil and trouble?


The sun, above the mountain's head,
A freshening lustre mellow          
(前後に形容詞をおくのはミルトンが好んだ技法。)
Through all the long green fields has spread, 
His first sweet evening yellow.        
(HisはThe sunをうける。)


Books! 'tis a dull and endless strife:
Come, hear the woodland linnet,
How sweet his music! on my life,       
(on my life=indeed.)
There's more of wisdom in it.


And lark! how bithe the throstle sings!
He, too, is no mean preacher:         
(no mean=great.)
Come forth into the light of things,
Let Nature be your Teacher.


She has a world of ready wealth,       
(She=Nature. a world of = a vast amount of.)
Our minds and hearts to bless―
Spontaneous wisdom breathed by health,
Truth breathed by cheerfulness.        
(breathed=inspired.)


One impulse from a vernal wood
May teach you more of man,
Of moral evil and of good,
Than all the sages can.


Sweet is the lore which Nature brings;     
(lore=lesson.)
Our meddling intellect
Mis-shapes the beauteous forms of things:―   
(misshapes=deforms.)
We murder to dissect.              
(We murder to dissect.
=We murder things when we try to analize them.)                        

Enough of Science and of Art;          
(Enough of = もう沢山だ、の意。 Art=learning.)
Close up those barren leaves;          
(barren leaves=useless books.)
Come forth, and bring with you a heart
That waches and receives.



    発想の転換をこそ
                   ウィリアム・ワ-ズワス

さあ、君、立ち上がるのだ! 君の本を捨てるのだ!
さもないと、君の腰はほんとに曲がってしまうぞ。
立て、立ち上がるのだ! もっと明るい顔をしたらどうだ。
なぜそんなに刻苦勉励して本を読むのだ?

山の頂きにさしかかった太陽が、
爽やかで柔和な光を広々とした
緑の野原一面にみなぎらせ、
夕陽特有の黄金色ですべてを染めている。

なるほど、本か! 本を読むのは骨が折れるし、きりがない。
それよりも外に出てきて紅ひわの鳴き声を聞くがいい、
その歌のなんと快いことか! 誓ってもいい、
本に書かれている以上の叡智がそこにある。

よく聴くのだ、つぐみのあの爽快な鳴き声を!
あの鳥も深遠な聖職者なのだ。
万象の光輝燦然たる世界に出てくるがいい、
そして、自然を師として仰ぐがいい!

自然は、人間の精神と心象を浄める
無限の富を貯えた宝庫なのだ。
その健康な姿を通して、知恵が脈々とほとばしり出、
その快活な姿を通して、心理が脈々とほとばしり出ている。

春の緑の森の一瞥がもたらす感動は、
すべての賢者以上に、人間について、
人間の善と悪という倫理の問題について、
我々にさまざまなことを教えてくれる。

自然が与えてくれる教訓は快く胸をうつ。
我々の小賢しい知性ときたら、
事物の美しい姿を台なしにしてしまうだけだ、
人間は分析せんとして対象を扼殺している。

科学も学問ももう沢山、といいたい。
それらの不毛の書物を閉じるがいい。
そして、外にでるのだ、万象を見、万象に感動する
心を抱いて、外に出るのだ。


Wordsworth(1770-1850)は、
浪漫派を代表する自然詩人である。
しかし、
彼の世界における自然は、
人間の問題と深くかかわりあっている。
若くしてフランス革命に共鳴し、
フランスでアネット・ヴァロンという女性を
愛するなどの経験をへたのち、
詩人コウルリジと交わり、
心の傷を自然のうちに求めていった経過を、
自伝的な大作「序曲」(The Prelude,1850)で示した。
コウルリジとの共著になる
「抒情歌謡集」(Lyrical Ballads, 1798)は、
浪漫主義の詩の本質を鮮明に示したものとして
文学史上不朽の位置を占めている。
ここに掲げた詩もこの詩集にある。
題名は、局面の転換、
つまり考え方の転換を意味する。
教養体験よりも直接的な自然体験の中にこそ
真実な人間的な生き方がある、
と作者は説いている。


● あとがき Postscript

北澤勝親先生からおたよりをいただきました。
先生は、信州大学などで教鞭をとられる
かたわら英語教育の夏季セミナーを信州で
主宰されていました。キリスト教徒であられ、
キリスト教にご造詣の深いおかたであられ、
人生の大先輩であられます。

北澤先生からいただいておりました
キリスト教的なもののみかたに関するヒント・
ご示唆によって、わたしの翻訳上の苦渋やもがきが
ほぐれてゆくのを感じました。ありがたいことでした。
真民先生の詩文のなかには仏教観的詩文もあります。
これの英訳作業の過程においては、とくに
北澤先生のお教えがおおきな支えになりました。

北澤先生は、いま、日々
内村鑑三の「一日一言」と
カール・ヒルティ(スイスのキリスト教哲学者)の
「眠られぬ夜のために」(第一部・二部)(岩波文庫・訳)
を読まれて、精神の糧をいただかれておられる、との
ことです。ご精進の日々をすごされておられること、
あたまの下がるおもいです。

いまおもえば、ヒルティの「幸福論」や
「眠られぬ夜のために」に記されている
さまざまのご示唆・ご教示が真民先生の
ご洞察やおこころと通ずるところが多々存在したことに
やっと気がつきます。

ヒルティの幸福論(岩波文庫)のpp.285-286には
人生を三つの時期にわけて観察している一節が
あります。おもいあたられるおかたも多いのでは
ないでしょうか:


人の生涯を、その一般的性格について、
ふつう幸・不幸とか、幸運・不運とか呼ばれている方面から見てみると、
あらゆる生涯が、大抵、はっきり三つの時期から成り立っており、
そのうち第一期と第三期とは互いによく似ているが、
中間の時期だけはちがっている。
これは経験の教えるところである。

辛らい不幸な青年時代を送った者は、わりにたやすく、
比較的恵まれた、成功した壮年期を迎えるものだが、
しかし曇りない晩年を持つことはむずかしい。
その反対に、黄金の青春時代は、ほとんど常に、
中年期における嵐と奮闘の生活の前兆であるが、
しかし、おだやかな人生の夕暮がそれに続くのが普通である。

なお、このような事情は、
この三つの大きな区分)のなかの段階的な小さい区分にも
やはりあてはまることが多い。

このうち、どの場合がより幸運であるかは、
決めかねる問題とも思われよう。

逞しい実行力と盛んな活動欲をもった人、
いわば「この世の生活の痕を永遠にほろぼすまい」
(「ファウスト」第二部第五幕)と心から念願する人は、
存分に成功した壮年期により大きな価値を置きたいと思うだろう。

しかし、太陽のように明るい性質の人には、
曇りなき青年期が必要であるが、
なお十分に力強い人にならねばならぬとすれば、
やはり荒々しい中年期も、同様に必要である。
それでこそ、老年時代になって、
人間の運命が許すかきりあらゆる面で円熟し、
完成した生活の全容を示すこともできるのである。

人間は、みずからも正しい道に達し、
また他人の重荷に対しても理解を持つべきであるならば、
いずれにしても、一生に一度は十分苦労しなければならない。

それをするのに最も適しているのは、大体において、
なんといっても力強い年代である。
また、幼年時代を楽しく過ごせば、
その余光が一生涯消えないものだが、
その逆の場合は、にがい不快感がやはり生涯を通じて
その影をとどめる。
しかしまた、老年になって
初めて一番苦しいことに耐えねばならぬとしたら、
これもまた辛らいことに違いない。



いま、
中年期の荒々しい嵐と奮闘の生活に耐えかねて、
命をたたれるおかたが「自殺者年間数万人」の
なかできわめておおきな比率をしめていると
お聞きしています。

● 写真:北岳から望む

甲斐駒ケ岳―肩の様に張り出す岩は摩利支天峰,手前の尾根は鳳凰山につながる早川尾根,右手の奥

青い山陰は編笠岳(八ヶ岳)の裾。

   山崎正昭大兄さまからご恵贈いただきました。


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