湘 南 通 信
常楽我浄 日本のこころを世界の人々へ
SHONAN NEWSLETTER
A Japanese heart and mind to the world over

トップページ
バックナンバー
エキストラ
メール
@Christy

NO.413
平成19年10月24日
October 24,2007

● ほとけさま


1.真民さんのメッセージ

    「星も孤独
     仏様も孤独
     だからあんなにキラキラと
     光り輝くのだ」
       The star is in solitude.
       The Buddha is also in solitude.
       That's why they sparkle
         in such holy glittering.



孤独

木も孤独
草も孤独
だから
あんなに美しい花を
咲かせるのだ

鳥も孤独
虫も孤独
だからあんなにいい声で
鳴くのだ

星も孤独
仏様も孤独
だからあんなにキラキラと
光り輝くのだ


Solitude

The tree is in solitude.
The grass is also in solitude.
That's why they let come out such beautiful flowers.

The bird is solitary.
The singing insect is also solitary.
That's why they chirp in such a beautiful tone of notes.

The star is in solitude.
The Buddha is also in solitude.
That's why they sparkle in such holy glittering.



2.金子みすゞさんのメッセージ

「わたしがさびしいときに
 ほとけさまはさびしいの」
   When I feel lonesome
   Buddha lets me recognize
   that He is always solitary.



さびしいとき


わたしがさびしいときに、
よその人は知らないの。

わたしがさびしいときに、
お友だちはわらうの。

わたしがさびしいときに、
お母さんはやさしいの。

わたしがさびしいときに、
ほとけさまはさびしいの。


When I FEEL Lonesome

When I feel lonesome
the unrelated are unaware of it;

When I feel lonesome
most of my friends laugh at me;

When I feel lonesome
Mother is kind-hearted to me;

When I feel lonesome
Buddha lets me recognize
that He is always solitary.


※ 最終行の
「ほとけさまはさびしいの」
のところを、金子みすゞさんの
ご心情を拝察して、
Buddha lets me recognize
that He is always solitary.
としてみました。


● 英語母語話者の潜在意識と冠詞の使い分け方の感覚(その8)

(付録1)
 名詞の用法(a unit wordとみるか、a mass wordとみるか):
個体とみるか、単一体とみるか、時間有境体(ひとしきりのX、
ひとつづきのX、一時的なX)とみるか、現象有境体(一現象)
とみるか、出来事有境体(一出来事)とみるか、量状体とみるか、
連続体とみるか、抽象体とみるか。
 
 a massと見られる連続体[量状体]も、これを分割して
a collection of unitsとして眺めることができる 。
(連続体[量状体]
〈Have some cake.
= Have a piece of a large cake.〉)

(個体
〈Have a cake.
= Have one small cake
from a group of small cakes.〉)

 
 ふつうは抽象体とみられる対象に対しても出来事のような
まとまった現象を意識するときは、不定表現が使われる 。
 The ten-year-old plays the oboe with sensitivity/ a striking
sensitivity/ * a sensitivity. (*は「非用」を示す)
 「感受性sensitivity」のような抽象観念も、
with a striking sensitivity
⇒「驚くべき感受性が発揮された一出来事、一現象」
のように質的に分割された一つの出来事のように意識されると、
不定表現として発話される。




(付録2)

 ジェイ・ルービン教授:日本語における「ハ」と「ガ」についての考察

出所:
Jay Rubin: Making Sense of Japanese
  ― What the Textbooks Don’t Tell You
日本語の秘訣 ―「日本語は決して“曖昧”ではない」
(東京−ニューヨーク−ロンドン:講談社インターナショナル、1998)

 マーク・ピーターセン教授は、ジェイ・ルービン教授
(日本近代文学専門、ハーバート大学教授)による
日本文学作品の英訳文に対して
つぎのような高い評価をされています。

(引用始め)
 現在英語圏で多少知られている日本人の小説家の中では、
村上春樹が断熱"トップ”である。
なんといって、1990年あたりから、
彼の短編小説(の英訳)が何編も
アメリ力の最も高く評価されている
文芸雑誌〈The New Yorker〉に載せられているのである.
 これはアメリ力のフィクション界では大変なことで、
たとえぱ、まだ無名のアメリカ人小説家の場合であれば、
小説を各号に一編しか載せない〈The New Yorker〉に
自分の作品が載せられたら、まるで芥川賞を受賞したように
一流の小説家として認められた気分になるのだ。
また、アメリカの大学で行われている
〈日本学〉という小さな世界でも、村上春樹の小説は
文学史に残るほど重大な作品であると評価する人が少なくない。
現役作家に対するこのような評価はきわめて珍しいことである。
 私が見る限り、Haruki Murakamiが英語圏で
ここまで重要視されてきているのは、
小説の面白さ自体はもちろんのことだが、
日本近代文学専門でハーバード大学教授を務めている
ジェイ・ルービンの優れた英訳のお陰も大きいだろう。
他の人の英訳もあるが、原作と同じ〈本物の文学〉に感じられる
ほどの質のよい英文になっているのは、
ルービン訳だけである。(引用終わり)

出所:マーク・ピーターセン.『ニホン語、話せますか』
新潮社. 2004. p68-p69.)


-------------------------------------------------

ジェイ・ルービン教授のご著書のひとつから、
日本語の「ハ」と「ガ」に関するご考察の一端を
ご紹介します。あまり意識されてこなかった多数の用法
にするどく迫っているように思います。これからの英文作成時に
参考にできそうな多くのご示唆に
出会うことができましたように思っています。
(以下、抄訳は坂井によるものです)
( )内の数字は、原文の段落の順序にしたがって
附した番号数字です。

*をつけた段落の論考記述は、「ことば」は
その上流から下流にむけて紡ぐものであって、
下流から上流にむけて遡及して紡ぐものではない、
という観点からみて、関心をそそられる内容になっている
箇所のように感じられました。

------------------------------------------------



Wa and Ga
The Answers to Unmasked Questions

こんな答がみつかってくると、「ハ」と「ガ」に関する
疑問点についてその仮面がはがれてきます。


(1) I don’t suppose many of you remember
the “Question Man” routine on the old Steve Allen
show. Steve would come out with a handful of cards
containing “answers,” which he would read aloud, and then,
from the depths of his wisdom, he would tell us
what questions these were the answers to.
For example:

読者の皆様方、多くのかたは覚えておいでにならないかもしれませんが、
「Question Man」という番組に定番の出しものがありました。なつかしい
Steve Allenショーでの出しもののことですが。Steveはあの頃、手いっぱ
いのカードをもって登場してきたものでした。そのカードには「答」なるも
のが書いてあったのです。それを、声をあげて読みあげていましたね。
これが終わるとSteveは深い知恵をはたらかせてこの答に対する質問は
何であったのかを語ってくれていました。例えばこんな具合です。


(2) Answer: Go West
   Question: What do wabbits do when they get tired of wunning
awound?
答:「行くのは〈Wという文字ではじまる西の方West〉へ」
問:「〈wという文字ではじまる兎たち=wabbits〉は、
〈wという文字が含まれるそこら辺りをかけずりまわること
=wunning awound〉に飽きてくるとどんな行動をするだろうか」


(3) Oh, well. The funniest thing about the Question Man was not so
much the routine itself as when Steve was so tickled by a joke
that he couldn’t stop cackling. The producers of “Jeopardy” have
effectively circumvented this problem.
いやはや。この番組でなんといってもこっけいでおかしかったのは、
定番の出しものそれ自体というよりは、Steveが
冗談がおかしくてたまらなくなってしまい、
ぺちゃくちゃのしゃべりまくり や きゃっきゃの笑いこげが
とまらなくなってしまうほどになってしまったことにありました。
「刑事事件で起訴されて被告人が有罪になる可能性が
ある状態を意味する“Jeopardy”、この番組では
制作者たちは先を見越してこの問題点の回避することに
効果をあげていましたが。

参考文献:
デニス=キーン・松浪 有. “Amount”  Problems in English
 ― An Approach to the Real Life, 29th impression.
研究社出版. 2002. P12-p13.
  Sidney=Greenbaum & Randolph=Quirk. 1990.
A Student’s Grammar of the English Language.
Longman. p84.


● あとがき Postscript

(宣伝をいたしますようで申し訳ありませんが、)
インターネット上の本屋さんで
英文対訳『凡事徹底』
(電子ブック)がアップされましたので、
つつしみましてお知らせ申し上げます。

電子ブック
名称:英文対訳 『凡事徹底』
講述:鍵山秀三郎先生
筆録;寺田一清先生
英訳:坂井孝彦
英文校閲:フランセス・フォードさん
編集:日本アイアール株式会社(野原剛社長)


内容につきましては、
このメールに添付しました
「Eブックシリーズ情報」をご覧くだされますよう
お願い申し上げます。
鍵山秀三郎様の「掃除の哲学」が
この英訳を通じまして世界のいろいろなお方に
伝導されてゆきますようにと念じております。
お求めいただけましたら幸甚に存じます。
どうぞよろしくおねがいいたします。


● あとがきの2

功成名遂、身退、天之道也
Retire when your work is done,
Such is Heaven's way.

なにもかもぎりぎりまでやらないで、
じぶんのやるべきことが終わったら
さっさとリタイアするのがいいんだ。
それが天の道に沿うことなんだ。

(出所:加島祥三. 2000. 『タオ 老子』.
          筑摩書房. pp24-25)
●写真:花菖蒲 Prof. Dr. 坂下 潔先生からおおくりいただきました。

トップページ
バックナンバー
エキストラ
メール
@Christy