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● 英語母語話者の潜在意識と冠詞の使い分け方の感覚(その8)
(付録1) 名詞の用法(a unit wordとみるか、a mass
wordとみるか): 個体とみるか、単一体とみるか、時間有境体(ひとしきりのX、 ひとつづきのX、一時的なX)とみるか、現象有境体(一現象) とみるか、出来事有境体(一出来事)とみるか、量状体とみるか、 連続体とみるか、抽象体とみるか。 a
massと見られる連続体[量状体]も、これを分割して a collection of unitsとして眺めることができる
。 (連続体[量状体] 〈Have some cake. = Have a piece of a large
cake.〉) ⇔ (個体 〈Have a cake. = Have one small cake from a group of
small
cakes.〉)
ふつうは抽象体とみられる対象に対しても出来事のような まとまった現象を意識するときは、不定表現が使われる
。 The ten-year-old plays the oboe with sensitivity/ a
striking sensitivity/ * a sensitivity.
(*は「非用」を示す) 「感受性sensitivity」のような抽象観念も、 with a striking
sensitivity ⇒「驚くべき感受性が発揮された一出来事、一現象」 のように質的に分割された一つの出来事のように意識されると、 不定表現として発話される。
(付録2)
ジェイ・ルービン教授:日本語における「ハ」と「ガ」についての考察
出所: Jay
Rubin: Making Sense of Japanese ― What the Textbooks Don’t Tell
You 日本語の秘訣
―「日本語は決して“曖昧”ではない」 (東京−ニューヨーク−ロンドン:講談社インターナショナル、1998)
マーク・ピーターセン教授は、ジェイ・ルービン教授 (日本近代文学専門、ハーバート大学教授)による 日本文学作品の英訳文に対して つぎのような高い評価をされています。
(引用始め) 現在英語圏で多少知られている日本人の小説家の中では、 村上春樹が断熱"トップ”である。 なんといって、1990年あたりから、 彼の短編小説(の英訳)が何編も アメリ力の最も高く評価されている 文芸雑誌〈The
New
Yorker〉に載せられているのである. これはアメリ力のフィクション界では大変なことで、 たとえぱ、まだ無名のアメリカ人小説家の場合であれば、 小説を各号に一編しか載せない〈The
New
Yorker〉に 自分の作品が載せられたら、まるで芥川賞を受賞したように 一流の小説家として認められた気分になるのだ。 また、アメリカの大学で行われている 〈日本学〉という小さな世界でも、村上春樹の小説は 文学史に残るほど重大な作品であると評価する人が少なくない。 現役作家に対するこのような評価はきわめて珍しいことである。 私が見る限り、Haruki
Murakamiが英語圏で ここまで重要視されてきているのは、 小説の面白さ自体はもちろんのことだが、 日本近代文学専門でハーバード大学教授を務めている ジェイ・ルービンの優れた英訳のお陰も大きいだろう。 他の人の英訳もあるが、原作と同じ〈本物の文学〉に感じられる ほどの質のよい英文になっているのは、 ルービン訳だけである。(引用終わり)
出所:マーク・ピーターセン.『ニホン語、話せますか』 新潮社.
2004.
p68-p69.)
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ジェイ・ルービン教授のご著書のひとつから、 日本語の「ハ」と「ガ」に関するご考察の一端を ご紹介します。あまり意識されてこなかった多数の用法 にするどく迫っているように思います。これからの英文作成時に 参考にできそうな多くのご示唆に 出会うことができましたように思っています。 (以下、抄訳は坂井によるものです) ( )内の数字は、原文の段落の順序にしたがって 附した番号数字です。
*をつけた段落の論考記述は、「ことば」は その上流から下流にむけて紡ぐものであって、 下流から上流にむけて遡及して紡ぐものではない、 という観点からみて、関心をそそられる内容になっている 箇所のように感じられました。
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Wa
and Ga The Answers to Unmasked
Questions
こんな答がみつかってくると、「ハ」と「ガ」に関する 疑問点についてその仮面がはがれてきます。
(1)
I don’t suppose many of you remember the “Question Man” routine on the old
Steve Allen show. Steve would come out with a handful of cards containing
“answers,” which he would read aloud, and then, from the depths of his
wisdom, he would tell us what questions these were the answers to. For
example:
読者の皆様方、多くのかたは覚えておいでにならないかもしれませんが、 「Question
Man」という番組に定番の出しものがありました。なつかしい Steve
Allenショーでの出しもののことですが。Steveはあの頃、手いっぱ いのカードをもって登場してきたものでした。そのカードには「答」なるも のが書いてあったのです。それを、声をあげて読みあげていましたね。 これが終わるとSteveは深い知恵をはたらかせてこの答に対する質問は 何であったのかを語ってくれていました。例えばこんな具合です。
(2)
Answer: Go West Question: What do wabbits do when they get tired of
wunning awound? 答:「行くのは〈Wという文字ではじまる西の方West〉へ」 問:「〈wという文字ではじまる兎たち=wabbits〉は、 〈wという文字が含まれるそこら辺りをかけずりまわること =wunning
awound〉に飽きてくるとどんな行動をするだろうか」
(3) Oh, well. The funniest thing about
the Question Man was not so much the routine itself as when Steve was so
tickled by a joke that he couldn’t stop cackling. The producers of “Jeopardy”
have effectively circumvented this
problem. いやはや。この番組でなんといってもこっけいでおかしかったのは、 定番の出しものそれ自体というよりは、Steveが 冗談がおかしくてたまらなくなってしまい、 ぺちゃくちゃのしゃべりまくり
や
きゃっきゃの笑いこげが とまらなくなってしまうほどになってしまったことにありました。 「刑事事件で起訴されて被告人が有罪になる可能性が ある状態を意味する“Jeopardy”、この番組では 制作者たちは先を見越してこの問題点の回避することに 効果をあげていましたが。
参考文献: デニス=キーン・松浪 有.
“Amount” Problems in English ― An Approach to the Real Life, 29th
impression. 研究社出版. 2002. P12-p13. Sidney=Greenbaum & Randolph=Quirk.
1990. A Student’s Grammar of the English Language. Longman. p84.
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