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@Christy

NO.417
平成19年11月23日
November 23,2007

● 真民さんのメッセージ

「今を生きる」
 Live fully in the present
「ただ一途に
 生きてゆくのだ」
 Try to live fully with all its heart.



今を生きる

咲くも無心
散るも無心
花は嘆かず
今を生きる


Live Fully in the Present

Flowers come out
 in the state of perfect selflessness,
 and go out in the same manner.
They never worry about the future
 and never regret the past.
They live fully in the present.



無心

一せいに咲き
一せいに散る
白木蓮の花
咲くも無心
散るも無心


In the State of Perfect Selflessness

A white magnolia tree!
Its blossoms come out all at once
 and go out in the same manner.
They come into bloom
 in the state of perfect selflessness
 and go out in the same manner.



花は歎かず

わたしは
今に生きる姿を
花に見る
花の命は短かくて
など歎かず
今に生きる
花の姿を
賛美する
ああ
咲くもよし
散るもよし
花は歎かず
今に生きる


A Flower Never Complains about its Short Life

I always reflect
 how to live fully in the present
 by looking at what a flower tries to do.
The flower never complains about its short life.
It lives fully in the present.
I am struck with admiration
 to see what it strives to do now.
Oh, it comes out in all sincerity,
 and goes out in the same manner.
It never worries about the future
 and never regrets the past.
It just lives fully in the present



野ぼたんの花

野ぼたんの花の
むらさきの濃さ
きのう一輪咲さき
きょう一輪咲く
ああ
ただ一途に
生きてゆくのだと
花のなかから
声がする


A Wild Peony Comes into Bloom

A wild peony comes into bloom.
It comes out purple [crimson] in deep color.
Yesterday a single flower came out,
 and today another one comes out.
Oh! I hear a voice from inside the flowers,
 saying it is trying to live fully with all its heart.


● 相田みつをさんのメッセージ

「ただ咲いて ただ散って ゆくからいい」
I like the way
they just bloom and fall.


「いのちいっぱい に生きれば いいぞ」
It is definitely all right
if you lead a full life.



花には人間のような
かけひきがないからいい
ただ咲いて
ただ散って
ゆくからいい
ただになれない
人間のわたし


I like flowers
because their life
is not strategic.
I like the way
they just bloom and fall.
I cannot follow
since I am human.



子供への一首:


どのような
道を
どのように
歩くとも
いのちいっぱい
に生きれば
いいぞ


A Piece of Poetry to Children:

Whichever way you may go
in whatever manner,
it is definitely all right
if you lead a full life.



花はただ
咲くただひ
たすらに

Flowers simply come out;
solely in a simple manner.


  (英訳:坂井孝彦)
  (英文校閲:Frances Ford)


● 大山真弘和尚様がご主宰になっておられます
   「幸福ニュース」からです。



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幸福ニュース(しあわせニュース)  第209号  2003年9月19日
幸せへのヒント満載のEmail magazineです。友達にも教えて皆幸福になろう
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 今号は、『斉藤一人 魔法のお悩み解決法』(小俣和美著 東洋経済新報
社)を紹介させていただきます。累計納税額日本一の商売と人生の達人の教
えを 弟子がわかり易く書いたものです。

          【魔法のお悩み解決法】

1.職場の人間関係で一番大切なのは、愛情である。

 他の人のよかったことを一緒になって「よかった」と思えるような、心の
豊かな人になりましょう。貧しい心は貧しいことしか呼びません。豊かな心
は、豊かさと幸せを呼ぶのです。

2.どうしても考え方を改めてくれない人がいて困っています。

 自分をどう変えれば問題が解決するかを、考えることです。みんな自分は
変えたくないのです。自分は変わらずに周りが変わればいいと思っているの
で、何も解決しないのです。自分がどう替われば問題が解決するか考えて、
そんなふうに自分の心を変えることが問題解決の鍵です。

3.会社の害になる人がいて困っています。

 そのことは、あなたにとって本当に、本当に困ったことなのか考えてみま
しょう。実は問題でもなんでもなかったと気付くかも知れません。

4.女は仕事で伸びないと思いますか。

 男女に関係なく、素直で、卑屈でも威張ってもいない人なら、きっと伸び
ます。素直なら、ほかの人からよいことを聞けば、全部自分の実力になって
いきます。

5.仕事で成功する人の条件とは?

 笑顔で当たり前のことをきちんとやり、だれにでも同じように接して、人
に好かれるような、また人を引きつける魅力のある人であることです。それ
から、表裏のある人はダメです。

6.今の仕事を辞めるべきかどうか迷っています。

 本気で一生懸命仕事をしても、「楽しい」とも「面白い」とも思えないの
なら、そこはあなたに向いていないのかも知れません。向いていない仕事を
辞めることは幸せになるチャンスです。また、本気で仕事をしていれば、天
職は自然にわかります。

7.「本気」を「命がけ」とは怖いことのように聞こえますが?

 「命」というのは時間なのです。もし、どこかの会社で仕事をすれば、そ
の間の命は自動的にその仕事にかけられてしまうことになる。そして、命が
自動的に使われていることを自覚した時に、「本当に命をこの仕事につかっ
ていいの?」と思うはずです。この自覚を持つ事が『命がけ』ということな
のです。命は自動的にかかっています。そのことを自覚して仕事をしましょ
う。

8.独立して商売するには、どんな準備があればいいのでしょうか。

 お金をできるだけかけない、きちんとした人間関係を築ける人になるとい
う事が準備としては大切です。また、うそをつかない、ごまかさない商売を
していれば、良い人間関係ができて、皆が商売を助けてくれます。人生をよ
く生きる方法と、よくお金を儲ける方法は同じなのです。

9.人間関係をつくれる人になるにはどうすればいいですか?

 「愛」を持って人に接し、「みんないい人」と思いましょう。他の人を思
いやる愛情を持つことが、自分の心を豊かにします。愛を持って人に接する
ことこそが、人生を幸せにする道でもあり、商売を成功させる方法でもある
のです。

10.どうすればみんなに好かれる人になるでしょうか?

 一つは、赤い花はより赤く、黄色い花はより黄色く咲くこと。つまり、自
分がどんな人間なのかをより鮮明にだすことです。もう一つは、好かれたい
のであれば、好きになりなさいということです。注意した方がいいことは、
「全員に好かれようと思うな」ということです。自分のファンは一人いれば
いいのです。

11.どうしてもムシの好かない人がいます。

 人間は自分の持っている欠点と同じものを嫌います。相性の悪い人がいた
ら、その人と同じ欠点が自分にないか探してみれば、きっと仲良くなれます。
自分の器を大きくするチャンスです。

12.グループで仲間はずれにあっています。

 『命』という漢字は『人』は『一』度は『叩』かれると書く。だから、生
きているうちは、一度は叩かれるもんだと思っておかなきゃいけない。そし
て、自分がいじめをしない、人殺しをしない、意地悪をしない、このことを
貫き通せばいいのです。それを貫いているうちに、必ずその人の実力どおり
にはなる。いい人ならば、必ず、仲間もやってくる。だから、自分を向上さ
せるチャンスと思いましょう。

13.社内恋愛が会社の噂になって困っています。

 カツ丼を食べれば、カツ丼の代金を払うし、寿司でも上を頼めば高いので
す。会社の男と付き合えば、噂になるのは当たり前です。社内恋愛と社内の
噂になることは、セットなんだと覚悟してしましょう。

14.いい人とたくさん知り合えるようないい方法はありますか?

 自分の心を豊かにすることから始めましょう。まず、自分に与えられてい
るものに感謝して大事にすることです。あなたに今、与えられている人間関
係もそうです。まわりの人々からも多くのことを学びましょう。いやなこと
をされても、「この人にいいことがありますように」と祈りましょう。豊か
な人と付き合いたいならば、まず、自分の心を豊かにすればいいのです。

15.心の豊かさの基準は?

 悪口、愚痴、泣き言、文句、不平不満の五つが少なく、「楽しい」と感じ
ていられる時間がより長い人ほど、心のレベルは高いようです。

16.目標を達成するいい方法は?

 目の前の自分のやりたい事、かなえたい夢なんかは、笑われてもいいから、
どんどん口に出して言いましょう。ただし、大きな目標は、言わない方がい
いみたいです。これは自分ではどうしようもないので、それ以外の力で実現
してもらうしかないからなのです。人には言わないで、ただ、「神様や仏様
がついているから大丈夫」と思っていればいいのです。目の前の目標をかな
えるのは自分の仕事だから、どんどん言う。大きな目標をかなえるのは神仏
の仕事だから、口には出さないで、安心して任せておくのです。

17.子育てがうまくできるか、不安になります。

 杉の子は小さくても完璧に杉なのです。親が子供を育てるんだと言う傲慢
をまず捨てれば、その子がたとえどんなに小さくても、もうすでに一個の人
格を備えていることが見えてきます。それを大切にして、この子は将来どん
な大人になるんだろうかと考えて、親は子供と接するべきなんです。子供を
育てるんじゃなく、子供に育ててもらい、親も成長するんです。

18.子育てで一番気をつけなければいけない事は?

 自分のトラウマを子供にも与えてしまう事です。これは無意識のうちにや
っていることなので、早くそれを自覚して、断固としてその因果を断ち切っ
てください。

19.息子が不登校で悩んでいます。

 親が子供にすべき三つのことをしてあげましょう。それは、子供を信じて
あげること、働くのは楽しいと教えてあげること、自分で考える材料を与え
てあげることの三つです。そして、学校へ行きたくないのは、学校向きじゃ
なく、社会向きなだけだと思って、あせらずに見守ってあげましょう。

20.肉親の人間関係をどう考えれば、幸せになれるでしょうか?

 近い肉親は、いちばん大事でいちばん難しい修行をさせてくれる人です。
人は何度も生まれ変わります。今の人生で完璧にしようなどと思わずに、ゆ
っくりと、やれることだけをやればいいのです。人のいいところを見て、全
てを受け入れていきましょう。海のように『一切受容』の生き方をすれば、
楽なのです。

「この道ゆっくり歩いてもいい
 休んでもいい
 どこまでも続くお花畑
 来世もそのまた来世も
 どこまでもずっとずっと
 続く道        」(斉藤一人)


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          【坂村真民詩集】

          《 と げ 》

        刺さっていたのは
        虫メガネで見ねば
        わからないほどの
        とげであった
        そのとげを見ながら思った
        わたしたちはもっともっと
        痛いとげを
        人の心に刺し込んだりしては
        いないだろうかと
        こんな小さいとげでも
        夜なかに目を覚ますほど痛いのに
        とれないとげのような言葉を
        口走ったりはしなかったかと
        教師であったわたしは
        特にそのことが思われた

     -----------------------------------------------------


             【仏語集】

 この世の中に、さとりへの道を始めるに当たって成し難いことが二十ある。

1.貧しくて、施すことは難く、
2.慢心にして道を学ぶことは難く、
3.命を捨てて道を求めることは難く、
4.仏の在世に生を受けることは難く、
5.仏の教えを聞くことは難く、

6.色欲を耐え忍び、諸欲を離れることは難く、
7.よいものを見て求めないことは難く、
8.権勢を持ちながら、勢いをもって人に臨まないことは難く、
9.辱しめられて怒らないことは難く、
10.事が起きても無心であることは難く、

11.広く学び深く究めることは難く、
12.初心の人を軽んじないことは難く、
13.慢心を除くことは難く、
14.よい友を得ることは難く、
15.道を学んでさとりに入ることは難く、

16.外界の環境に動かされないことは難く、
17.相手の能力を知って、教えを説くことは難く、
18.心をいつも平らかに保つことは難く、
19.是非をあげつらわないことは難く、
20.よい手段を学び知ることは難い。(四十二章経)

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*「投稿大歓迎!」 皆様の投稿は、できるだけ「幸福ニュース」に掲載し
 ようと思っております。読者と共にこのEメールマガジンを作り上げてい
 きたいと願っておりますので、御協力をよろしくお願い申し上げます。

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幸福ニュース(しあわせニュース)第209号終
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● 英語母語話者の潜在意識と冠詞の使い分け方の感覚(その11)

ジェイ・ルービン教授:日本語における「ハ」と「ガ」についてのご考察

出所:
Jay Rubin: Making Sense of Japanese
― What the Textbooks Don’t Tell You

日本語の秘訣 ―「日本語は決して“曖昧”ではない」
(東京−ニューヨーク−ロンドン:講談社インターナショナル、1998)


Wa and Ga
The Answers to Unmasked Questions (ジェイ・ルービン教授)
こんな答がみつかってくると、「ハ」と「ガ」に関する
疑問点についてその仮面がはがれてきます。


(23) In the days of his youth
(though well past his childhood),
a sharp-tongued colleague of mine
once had a serious falling-out
with his Japanese employer
over "the" and "a."

He was working in Japan as a translator
at the time, and his boss suggested that
they were paying him too much
because English was so full of these useless
little definite and indefinite articles.

Since he was being paid by the word,
the employer suggested they ought to omit
all the the's and a's from the word count.
The prospect of a pay cut did not set well
with my colleague, who somewhat impetuously
replied, "Better yet, you do the translations,
and you can pay me to put in the the's and a's."
For this impolitic thrust at one of the most
insecure areas of Japanese knowledge of
English, he was fired on the spot.

子ども時代はもうとうに過ぎてはいたが
それでもまあまあまだ若かったころの
毒舌家でもあった同僚についての話題ですが,
自分の雇い主と深刻ないさかいを起こしたことが
あったのです。それは「the」と「a」をめぐる
仲違いだったのです。その同僚は当時,
翻訳者として日本で働いていたのです
が,つぎのように言われだされてしまったのです:
翻訳代金が高すぎる,と。


その理由は,英語という言語には、
役にも立たない定冠詞や不定冠詞が
溢れているからだ,というものだったのです。
同僚は,一語いくらで支払いを受けていたのです。
雇い主はtheとaは語数の勘定から除外しなくては,
と言い出したのです。翻訳代の減額公算が
大ともなると自立した生活がはかばかしくなるなあ、
と考えて,同僚はやや衝動的に答えて曰く:
「それはなおさらけっこうなことで。
そちらさまで翻訳をおやりになって下さい,
そのあと、わたしの方に勘定をお支払いいただければ
theとaを挿入してさしあげます」と。

この不得策な無分別なあてこすりを弄したせいで,
この言辞は英語という言語について
日本人の知識がいちばんぐらぐらしている範囲に
向けられていた内容だったからたまりません,
同僚は即刻解雇されてしまったのです。


(24) Ga, we can fairly safely conclude, is a lot simpler
than the double-functioning wa. Ga marks
the grammatical subject of an upcoming verb
or adjective, but wa marks the topic―not the topic
of a verb, but the topic of an upcoming discussion.
This topic-subject distinction can be more confusing
than helpful until you see what a word is the topic of
or the subject of. For more on this, pay close
attention to the next paragraph.

「ガ」は,まあこう結論づけても差し支えないのではないでしょうか。
つまり,〈二重の機能がある「ハ」〉に比べると
ずっと簡単ではないでしょうか。
「ガ」の方は下流側に現れる動詞や形容詞の文法上の
主語をあらわす標識となります。これに対して「ハ」の方は,
話題についての標識となります。
つまり,「ハ」は下流側の動詞を対象にしている
標識ではなくて,下流側に現れる論述や考察を
対象にしている標識であります。
ここに述べましたように
この主題(話題)と主語とを区別して考察しようとしますと、
理解が混乱するだけで理解の助けにはならないことも
あるのですが,どちらの語が主題(話題)に関与しており、
どちらの語が主語に関与しているのか、
ついに分ってきたということになりますと、
この区別が納得できるようになるのです。
以上の論点については、さらに,次のパラグラフに
入念な注意をむけてください。



(25) Ga marks something that is going to have
a piece of grammar―verb or adjective―connected
to it, but wa is far less restrictive:
it marks something that is going to have a remark
made about it, but it gives absolutely no clue
as to what kind of remark it's going to be.

Wa merely says, "Hey, I'm going to tell you
about this now, so listen."
Ga says "Watch out for the next verb
that comes by: I'm most likely the one
that will be doing or being that verb."

Ga always marks the subject of a verb or adjective,
if that verb is the main verb, that means
ga is marking the subject of the sentence.
Wa never does this.

「ガ」は,己に連接する文法構成要素である動詞とか
形容詞を携えることになる何かあるものを表わす
標識となります。これに対して,「ハ」の方は
その拘束がはるかにゆるいのです。
「ハ」は己について陳述されることになる
所見を携えることになる何かあるものを表わす
標識となるのです。しかし,「ハ」は,
それがどんな種類の所見になるのかについては
なんらの手がかりも出してくれないのです。
「ハ」は単につぎのような主旨のことを
述べるだけにとどまります:
「おい,ちょっと,いまからこれこれについて
お前に伝えるぞ,だからよく聞けよ」。
「ガ」の方は次のように言います:
「文の下流側に現れる動詞を待ち受けてくださいよ。
俺はきわめて高い可能性でその動詞の行為
もしくは存在そのものを具現することになるのだから。」
「ガ」はどんな場合でも動詞や形容詞の主語を表わす―
その動詞が中心的な動詞の場合ならば。
これの意味するところは,「ガ」は文の主語を
表わす標識になる,ということです。
「ハ」には断じてこの機能がないのです。


(26) Wait a minute. Did I just say that wa never marks
the subject of a sentence? Yes, and I mean it.
Wa never ever marks the subject of a verb
and so it never marks the subject of a sentence.
Wa only marks a topic of discussion,
"that about which the speaker is talking."

And, as Anthony Alfonso so sensibly remarks,
"Since one might talk about any number of things,
the topic might be the subject of the final
verb, or time, or the object, or location, etc."

ちょっと待った。「ハ」は文の主語の標識には絶対にならない,
とは言ってしまったかな。そう、本気でそう言ったのですよ。
「ハ」はある動詞に対して主語の標識になることは
絶対にないのです。だから,「ハ」は文の主語に
なる標識になることも絶対にない。
「ハ」は論じられていること―話し手が語っている事柄―
つまり話題の標識になるだけなのです。

だから,Anthony Alfonsoがつぎのように
いみじくも述べていますが、
これはとても気が利いた所見です:
「人はだれでもいろいろなことについて、
その総数がいくつになろうとも、
いろいろと語るでしょうから,
その話題がしめくくりの動詞の
主語になるのでしょうね,
時期が主語になることもあるでしょうし,
目的対象が主語になることもあるでしょうし,
また,場所が主語になることもあるでしょう。」



*(27) Alfonso gives lots of good examples of
each type of topic in a passage that is well worth
studying. As a time topic, he gives

Aki wa sora ga kirei desu,

which can be translated

"The sky is clear in autumn"

or, more literally,

"Autumn, well, the sky is clear,"
or
"As for autumn (as opposed to the other seasons),
the sky is clear," etc.

One example of an object topic
that Alfonso gives is

Sono koto wa kyo hajimete kikimashita,

"I heard that today for the first time,"
or
"That matter, well, today for the first time I heard it,"
or "As far as that matter goes, I heard about it
today for the first time," etc.

Alfonsoは、文章の一節を見た場合
そこに登場するいろいろなタイプの話題
についての例文をたくさん列挙していますが,
これは実に勉強のしがいのある対象です。
時期が話題となる例として挙げられているのは,

「秋は空がきれいです」です。
これの英訳は 一応は、
"The sky is clear in autumn"
となります。でも、
この日本語を原語文字どおりに英訳すると
"Autumn, well, the sky is clear,"
もしくは
"As for autumn (as opposed to the other seasons),
the sky is clear,"
などとなるでしょうね。

目的対象が話題となる
例としてAlfonsoが挙げているのは,
「そのことは今日始めて聞きました」
で,これの英訳は,とりあえずは
I heard that today for the first time,"
となるのでしょうが、原語どおりに英訳すれば、
"That matter, well, today for the first time I heard it,"
または
"As far as that matter goes, I heard about it
today for the first time,"
などとなるのでしょうね。



(28) Alfonso's remark about the possible contents
of a topic suggests that a wa topic can be
the subject of a sentence,
but I am still going to insist
that it never is.
Let's expand on those cases
in which the wa-marked topic seems
to be the thing or person
that does the verb.

One good example of this is our old
Watashi wa ikimashita.

Alfonsoは話題として受け容れられそうな内容について
論及しているわけですが,これによりますと,
「ハ」による話題は文の主語になることもある,
ということが提唱されていることになります。

しかし,私としてはそういうことは絶対にない、
と今までどおり強調しておきます。
「ハ」という標識による話題が
動詞に作用しているようにみえるものごと
や人についてのいろいろな場合について
さらに詳しく述べてみましょう。
これの申し分のない例文の一つは,
例のよく登場してきた

「私は行きました」
です。



*(29) Earlier, I translated Watashi wa ikimashita as

"Me? I went."

Doesn't this look suspiciously like
those double subjects your first-grade teacher
told you never to use?

"My uncle, he's a nice man."
"My family and me, we went to New Jersey."
"Mistah Kurtz―he dead."

In each case, you name the topic
of your upcoming remark,
and then you go ahead and say a sentence about it.
The subject of the verb in each sentence is
not "my uncle," "my family," or "Mistah Kurtz"
but rather the following pronoun.

And notice that all the redundant subjects are
pronouns.
Once you've established that it's your uncle
you are talking about, you can demote him
to pronoun status when you give him a sentence to do.

Likewise, in Japanese, once you've established the topic
you are going to be talking about,
you can use the Japanese zero pronoun
when you give it a verb to perform.
And that's just what is happening in

Watashi wa ikimashita.

この論述の初めのほうで,「私は行きました」を
こう英訳しました:

"Me? I went."

これは例の二重主語ですから、
小学校の一年生のときの
先生がこういうのは絶対使わないようにと
厳命してくださった表現に、
どうも怪訝なことに、類似していませんか。

"My uncle, he's a nice man."
"My family and me, we went to New Jersey."
"Mistah Kurtz―he dead."

このどれを見ても,まずあとの方の下流側に
登場してくる話題を示して,
それから先に進みながら話題についての
文章をもってきています。
動詞に対応する主語はどの文章をみても
"my uncle," "my family," or "Mistah Kurtz" ではなくて,
正しくは下流側の代名詞です。
さらに注目願いたいことは,
表現として冗漫になっている主語は
どれをみても代名詞だ、ということです。
一旦叔父さんこそが談話の対象であるということを
はっきりさせたならば,その叔父さんを文中で言うときは
代名詞という地位に降格させてもいいのです。
同じように日本語でも,
一旦談話の話題がはっきりしたら,
日本語では隠れてみえない「ゼロ代名詞」を使って
それに動詞の機能をつなげばいいのです。
そうです。まさにこのことが「私は行きました」
という文中で起きていることなのです。
       (拙い和訳は さかいたかひこ によるものです)


● あとがき Postscript

畏友三澤一敞さん(工学博士さん)からです。


-------------------------------------------------
a と the に続いて「は」と「が」の考察を
拝読しています。
 (中略)
 ところで、「は」と「が」については私見ですが、
次のようにはっきり使い分けているケースが
あるように感じています。

1.誰も行かないが、私は行きます。
2.誰も行かないので、私が行きます。

 日本人はほとんど無意識にこのような使い分けをしています
が、a と the の使い分けについても、英米人にとっては同
様なのではないかという気がしています。
------------------------------------------------

※ 三澤さん、ありがとうございます。「工学」のみならず
「ことば」にもご造詣の深い三澤さんは英語関係の学会でも、
ご研究の成果を発表されました。

コンピュータ用語は
カタカナ語に翻訳されることが多いのですが、
三澤さんは大和言葉に翻訳されて、これを辞書のかたちに
まとめられました。そしてそのご成果の一部を
発表されました。 パソコンの説明書にはたくさんの
カタカナ語が登場してわたしは困り果てることが
あります。「プロパティ」とは?「デフォルト」とは?
いまおもえば、「属性」とか「初期設定値」のほうが
わたしにはわかりやすかったのになあ、と思います。


上記の1.と 2.について、対話文をつくってみました。
すると三澤さんのいわれることが
私にもうっすらとではありますが理解できるように
思ったからです。

(1) 「あなたは行きますか」
   「誰も(他の人は)行かないが、私は行きます」
   As for me, I will go out. (I は既知情報)
   (x)「誰も(他の人は)行かないので 私は行きます」

(2)「誰が行きますか」
   「誰も(他の人は)いかないので、私が行きます」
   It is I (=me) who will go out. (I は新情報)
   (x?△?)「誰も(他の人は)行かないが、私が行きます」


● あとがきの2

 吉野 弘 「祝婚歌」

 そっと、つぎのような詩文をおおくり下さった
お方は、たぶん、わたくしのような
小心者をお諭しくださったのだ、
とおもいます。感謝して、
ご紹介させていただきます。

-----------------------------------------------
祝婚歌  吉野 弘

二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと気付いているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい

完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
二人のうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで
疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい
立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には
色目を使わず
ゆったり ゆたかに
光を浴びているほうがい
健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに

ふと 胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして
なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても
二人にはわかるのであってほしい
●写真:「乗鞍岳の日の出」 山崎正昭様から頂戴しました。


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